矯正×抜歯 で変わる横顔 ~Eライン~

Eラインと言う言葉をご存じですか?

Eラインとは、横顔を見たときに「鼻の先端とあごの先端を結んだ線」を言います。

一般的に、Eラインよりも外に唇が出ていない横顔が「よい」とされています。ただし、唇が極端に引っ込んでいても望ましいラインとは言えないようです。

正式名称を「エステティックライン(Esthetic Line)」と言います。

Eラインは欧米人を基準とされているものです。

日本人は、欧米人と比べると鼻が低い傾向にあり、日本では、Eラインに唇が少し触れるくらいが「よい」とする考え方があります。

具体的に、Eラインよりも上唇が4mmほど、下唇が2mmほど引っ込んでいるのを「美しい」とする基準でした。

しかしそれを日本人に当てはめると、上唇はちょうどEラインの上にくる位置にあり、下唇は2mm前方にある状態になります。

民族によって「美しい」とする基準が変化するのは、自然であることがわかります。

この Eライン、矯正と抜歯で変える事が出来るのです!

矯正をするために、抜歯が必要となるケースは珍しくありません。

健康な歯を抜歯するので、抵抗を感じる人も多いと思います。

非抜歯でも歯列を整えられる状態であれば、わざわざ歯を抜く必要はありません。

抜歯が必要ないのに、抜歯を行い口元を下げてしまいますと、

口元が下がりすぎてしまい

若いうちはハリがありますが、将来的には筋肉が衰え、ほうれい線が目立ってしまうケースもあります。

しっかりと先生と相談しながら抜歯をしていくかどうか決めていきましょう。

 

 

どのくらい口元が下がる?

下の写真をご覧下さい。

 

抜歯のより口元が下がった患者様です。

横顔の印象がかなり変わりますね。

 

 

左がbeforeで右がafterです。

 

 

 

 

 

 

矯正抜歯の理由

・歯が移動するスペースを作る
日本人に見られる多くの不正咬合は、顎が小さく、歯が綺麗に並ばないことが、原因の1つです。

・口元が盛り上がってしまうのを防ぐため
大きく重なった歯や出っ歯などを、非抜歯で無理に一列に並べようとすると、口元全体が前に出てきてしまう可能性もあります。

主にこのような歯並びをされている方が矯正抜歯の適応者です。

・重度の叢生(ガタツキが強い事)
・過度の出っ歯(上顎前突)
・過度の受け口(下顎前突)
・上下ともに歯が突出している場合(上下顎前突)

 

 

どの歯を抜くのか?

矯正で抜歯をするといっても、スペースがないところにある歯を、闇雲に抜くというわけではありません。矯正で主に抜く歯は決まっています。

それは、小臼歯です。小臼歯には、上下の噛み合わせのポジションを保つ役割があります。小臼歯は第一小臼歯(前から4番目の歯)と第二小臼歯(前から5番目の歯)があり、そのどちらかを抜いても、小臼歯の役割として、噛み合わせに大きな影響はないものとされています。

矯正で抜く歯は主に第二大臼歯(前から5番目の歯)です。もし、第一小臼歯が虫歯などで、状態が悪い場合には、第一小臼歯を抜くことになります。小臼歯を抜くことで、前歯の歯列を広げながら後方に動かしやすくなります。

・第ニ小臼歯(5番目の歯)
・第一小臼歯(4番目の歯)
・過剰歯(通常の本数よりも過剰に生えている歯)
・状態が悪く寿命が短いと思われる歯

 

 

抜歯のメリットとデメリット

【メリット】

前歯の歯列全体を移動しながら、アーチに沿って整えやすくなります。

・口元の突出感を改善できる:狭いスペースの中で、無理に横一列に並べようとすると、どうしても歯列全体が盛り上がってしまい、口元が膨らんだ印象になります。抜歯をすることで、矯正後のこうした問題を回避することができます。

 

【デメリット】

・健康な歯を失う:もっとも大きなデメリットは、やはり健康な歯を失ってしまうことです。抜いても歯の全体の機能的に問題がないとされる小臼歯ですが、抜く必要がなければ、非抜歯に越したことはありません。

・歯の移動距離が大きいと治療期間が長引く:歯が移動するスペースを作り、移動しやすくするための抜歯ですが、空いたスペースを埋めるためには、歯を大きく移動する必要が生じます。空いたスペースが大きく、移動距離が長くなる場合には、治療期間が長引きます。

 

 

 

【抜歯しなくても良いケース】

歯列の大きな重なりや突出が少ない

顎のアーチから、一部の歯が大きくはみ出している場合には、アーチに横一列に並べるために、大きなスペースが必要となります。歯の大きな重なりや、突出が少ない場合には、抜歯をしなくても、歯列を整えられる可能性があります。軽度の叢生や出っ歯などが上げられます。

歯を移動する空間がある場合

歯を移動する空間が十分にある場合には、わざわざ抜歯してスペースを作る必要はありません。すきっ歯(空隙歯列)のように、もともと空間がある不正咬合などでは、ほとんど抜歯する必要がないものです。

アーチの幅を広げられるケース

乳歯期と混合期(乳歯と永久歯が混在する時期)の、顎の成長を促すことができる子供の矯正の場合には、抜歯の必要性はないものです。顎が発育途上にあり、顎の拡大を促進する治療ができるので、顎の拡大に従って、永久歯の歯列が自然に整ってくるからです。子供の矯正では、主に顎の拡大を促す治療が主体になります。

【抜歯を避けるための矯正法】

歯間を削る方法

健康な歯を抜かず、歯を移動するスペースを作るために、歯間部分を削る方法もあります。これをストリッピングといいます。歯を削ると言っても、自然に再形成されるエナメル質を削るものです。ただし、前後の重なりや突出が軽度で、抜歯するほど、大きなスペースを必要としない場合に限ります。

 

こうしたメリットデメリットを理解した上で、抜歯の矯正に踏み切るかどうか、検討してみてください。

先生ともしっかりと話し合い、理想の横顔を手に入れましょう!